有形文化財(彫刻)

木造薬師如来坐像(もくぞうやくしにょらいざぞう)
遠賀町大字虫生津 長楽寺
樟(くす)の一木造りで造られた木像で、像の高さは49.3センチメートルあります。虫害のために右手の指先を失っているものの、頭部や膝前、指先までが全ての一木から彫り出されています。元九州歴史資料館の学芸員、八尋和泉氏の所見によれば、頭部の大き目の肉髪部や丸く弧を描く眉、頬や顎の丸いつくりだし等に古式の彫刻技法が残り、胸部を大きくU字形にあける等、中世後半の仏像の特徴をもつといわれ、作者名や制作年代等の記銘はありませんが、室町時代初期 (1400年ごろ)の地方仏師の作と考えられています。