ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 産業・観光 > 観光・歴史・文化 > 史跡・文化財 > 遠賀町の文化財(天然記念物)

本文

遠賀町の文化財(天然記念物)

ページID:0001473 更新日:2024年2月19日更新 印刷ページ表示

天然記念物

蟹喰池のオニバス(がにはみいけのおにばす)

蟹喰池のオニバス
遠賀町大字尾崎2321番地

 蟹喰池は町内唯一の湧水池で、国・県の絶滅危惧種オニバスの自生地です。オニバスはスイレン科オニバス属の日本最大の水生植物で、宮城県以南の本州や四国、九州のやや富栄養化した湖沼や沼地などに生育します。
 一年生の浮葉植物で、春先に池底で発芽して水面に切り込みのある葉を浮かべ、何枚も葉を生え変わらせながら鋭い刺げのある円形の浮葉へと成長し、秋に開花・結実して種子を残します。浮葉が最も大きくなるのは8~9月ごろで、最大で直径2mを超える葉を浮かべることもあります。
 オニバスは水中で自家受粉して結実する閉鎖花(へいさか)、水上に花びらを咲かせる開放花(かいほうか)と言われる2種類の花を咲かせますが、開放花をつけることはほとんどありません。また、種子には休眠性があるため毎年発芽するわけではなく、最長で55年後に発芽した報告もあるようです。いずれにしろ発芽や開花の条件は生育環境と密接にかかわっているといえます。
 蟹喰池では生育環境の悪化から平成15年を最後に発芽・生育がみられない状態が続いていましたが、平成22年度から福岡県と連携して「オニバス再生プロジェクト」を結成し、池干しを主体に生育環境の改善を図ることで再び発芽がみられるようになりました。しかし、池内には在来の動植物の他にオニバスと競合する園芸スイレンやジャンボタニシ、ミシシッピアカミミガメなどの侵略的外来種が生息しており、アオミドロの繁茂による生育阻害も生じているため、近年はその対策を行っています。

発芽初期の浮葉の画像
発芽初期の浮葉

最盛期のオニバスの浮葉の画像
最盛期のオニバスの浮葉

水上に伸びたオニバスの閉鎖花の画像
水上に伸びたオニバスの閉鎖花

淡紅色の仮種皮(かしゅひ)に包まれた種子の画像
淡紅色の仮種皮(かしゅひ)に包まれた種子

島津のヤマザクラ(しまづのやまざくら)

島津のヤマザクラ(1号木)の画像
島津のヤマザクラ(1号木)

ヤマザクラの若葉と花弁の画像
ヤマザクラの若葉と花弁

 島津・丸山歴史自然公園の敷地内に自生する3本の野生のヤマザクラで、樹齢200~300年の1号木は県内でも有数の大きさを誇ります。ヤマザクラはバラ科サクラ属の日本固有種で、古くから数多くの和歌に詠まれてきました。開花と同時に赤茶色の若葉をつけるのが特徴で、3本のヤマザクラはいずれも樹容が健全で大きな樹傷がありません。開花時期は3月末~4月初旬ごろで、春先には枝先に赤みのさした花弁をつけます。花弁の形から、エドヒガンとの自然交配種と考えられます。このヤマザクラに関する由来や伝承などはありませんが、当地域のシンボルとして、また、良好な景観の形成に寄与するものとして文化財指定をしています。