猫と人とが笑顔で過ごせる正しい飼い方

　猫は責任をもって飼いましょう。身勝手に捨てられて、迷子のまま飼い主が分からない猫や放し飼いによる自宅以外での産み捨てなどの過酷な環境で生まれる子猫たちも多くいます。
　周辺にお住まいの方には、猫が好きな人もいれば猫が苦手な方やアレルギーを持っている方もいます。また、それまで猫に対して特別な感情を持っていなかった方も、猫による被害を受けて嫌いになってしまうこともあります。
　猫と人とが笑顔で過ごせるような正しい飼い方をしましょう。

ゼロから始める猫との生活

（0）飼い始める前に家族全員でよく考える

　「かわいい」という気持ちだけではなく、住宅事情や家族構成等の先を見越し、本当に終生まで面倒を見ることができるか、家族全員でよく考えてから飼うようにしてください。また、一度飼い始めたら絶対に捨てないでください。

（1）猫は室内で飼う

　猫の行動範囲は広く、屋外での飼育では猫の行動を管理できません。糞尿等で近所の迷惑になるだけでなく、畑を荒らしたり、自動車を傷つけたり、場合によっては興奮して人に危害を加えたりすることがあるかもしれません。動物愛護管理法や福岡県動物愛護条例でも飼育・占有する動物によって人の生命・身体や財産に対する侵害をしたり、生活環境の保全上の支障を生じさせたり、人に迷惑を及ぼすことがないようにしなければならないと決められています。
　また、屋外で飼育すると交通事故や感染症などの危険がたくさんあります。
　人に迷惑を及ぼさないためにも、猫の安全や健康を守るためにも、猫は家の中で飼いましょう。家の中でも立体的に動ける工夫をすることで猫がストレスを感じることは少なくなります。

（2）猫の不妊・去勢手術をする

　猫は非常に繁殖力の強い動物です。子猫を望まない場合は、不妊・去勢手術を行いましょう。不妊手術には、病気の予防やストレスの軽減のほか、おとなしくなるなどのいろいろな利点があるといわれています。

（3）猫の身元表示をする

　飼い主のいない猫と区別をするために、首輪やマイクロチップなどをつけて身元表示をしましょう。飼い主の責任をはっきりさせて自覚を持つことにもつながります。

（4）猫は終生まで飼う

　猫を捨てたり、傷つけたりすることは法律で禁止されています。終生まで飼い主が責任をもって飼いましょう。もし終生まで飼うことができなくなったときは、里親を探してください。捨てられた猫は野良猫となり、糞尿やゴミを荒らすなど周辺にお住まいの方の不快につながります。

 

虐待や遺棄の禁止（環境省ホームページ）＜外部リンク＞

猫に関する様々な苦情や相談が寄せられています

町には猫に関する様々な苦情や相談が寄せられていますが、いずれも町で対処や処分できることはなく、相談された方が泣き寝入りすることが多くなっています。なお、町では猫の捕獲や引き取りは行っていません。また、個人で捕獲して処分することも禁止されています。飼い猫を屋内飼育し、野良猫が少なくなればこうした被害も少なくなります。

苦情の例

• 庭に猫が入ってきて花や野菜を荒らした。
• 敷地内で糞尿をされ困っている。
• 猫が自動車に傷をつけた。
• 野良猫が子猫を産んでしまった。

飼い主のいない猫にはむやみにえさを上げない

　飼う気がないのに、かわいそうだからと餌をあげてしまうと、庭やゴミを荒らす、糞尿などで近所に迷惑をかけることになるばかりか、爆発的に数が増え不幸な猫が増えてしまう恐れがあります。さらに、他の野生動物を呼び寄せ、臭いや害虫の発生原因にもなります。
　そうした被害やトラブルを防止するために、遠賀町では「遠賀町猫の愛護及び管理に関する条例」第7条により自らの飼い猫以外へのみだりなえさやり等を禁止しています。

やむを得ず飼い主のいない猫の世話をする必要がある場合

　やむを得ず地域で飼い主のいない猫の世話をする必要がある場合は、まず、その猫を世話することについて、周辺にお住まいの方にきちんと説明し、理解を得たうえで行いましょう。
　地域の理解を得たうえで行う飼い主のいない猫の世話については、遠賀町では遠賀町地域猫活動支援事業実施要綱による「地域猫活動」として支援を行っています。

地域猫活動とは

　その地域の住民が主体となって、地域の合意のもとに、地域に住み着く飼い主のいない猫の不妊去勢手術を行い、餌やりやトイレの管理などルールを決めて適切に管理することで、飼い主のいない猫の増加を抑え不幸な猫を減らし地域住民と猫との共生を目指す活動のことを言います。

　地域猫活動を実施するために必要なこと

• 管理する対象の猫が決まっている。
• 猫の活動範囲の住民の理解を得る。
• 繁殖制限をする。
• 餌を適正に管理する。
• 猫の糞尿の世話をする。

地域猫活動の進め方

（1）地域で話し合う

　地域猫活動は、地域の合意のもとに行う活動です。そのため、活動するためには周辺住民や自治会へ活動内容を説明し、理解を得ることが不可欠です。今後の活動をスムーズに行うためにも必ず実施してください。
　また、活動中も定期的に状況をお知らせするなど、地域とのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

 

（2）活動の計画づくり

• 対象とする猫を把握します。写真などの記録に残しましょう。
• 餌やりの場所や時間、担当者などを決めましょう。
• トイレの場所や時間、担当者などを決めましょう。
• 不妊・去勢手術、地域への報告、新たな飼い主探しなどの担当者を決めましょう。

（3）猫の不妊・去勢手術をする

　地域猫活動では、管理している猫の中で繁殖が起こらないようにする必要があります。そのために、計画的に不妊・去勢手術をしてください。

（4）餌を適正に管理する

　特定の猫のみに餌を与えるようにし、管理している猫以外が集まらないようにしましょう。そのために置き餌（食べ残した餌の放置）はやめましょう。他の野生動物の呼び寄せ、臭いや害虫の発生原因にもなります。

（5）猫の糞尿の世話をする

　地域における猫の糞尿による被害を軽減するため、猫用トイレを設置し、清掃をしましょう。猫の習性に配慮し、人目を避けられるような場所で、地域の合意が得られた場所にトイレを設置してください。また、猫は清潔なトイレを好みます。不潔にしていると臭いや害虫の発生原因になりますので、こまめに清掃しましょう。
　なお、こうした対応を行っても周辺の住宅等で糞尿をすることがあります。その場合は丁寧に説明し、糞尿の処理をするようにしましょう。

 

詳しくはこちらもご覧ください。

「始めてみませんか地域猫活動＜外部リンク＞」（福岡県ホームページ）